【テキスト教材】レンタルスペース最強の運営術
第1章:物件探し【物件選びから契約までの一連の流れ】
レンタルスペースを開業するために、必ず必要なのが物件探し。
物件の良し悪しで、レンタルスペースの売上が大きく変わってしまうというぐらい重要なことです。
物件の探し方から、内見時のポイント、申し込みから契約まで順を追って解説していきます。
以下、第1章の目次です。
- 物件を探す前にやるべきこと
- 不動産会社への問い合わせ
- 内見時に見るべきポイント
- 申し込みから契約までの流れ
※ここでの物件探しは、賃貸物件ということで話を進めていきます。
①物件を探す前にやるべきこと
物件を探す前に準備しておくことについて、まとめました。
✔ 物件を探す前にやるべきこと
1.物件探しの前提
2.どんなスペースにしたいのかイメージする
3.希望のエリアを決める
1.物件探しの前提
前提として、レンタルスペースとして運営が可能な物件は少ないです。
理由としては、認知されていないから。首都圏であればレンタルスペースの認知度はここ最近で上がってきましたが、地方に行くとまだまだ認知度が低いのが現状です。
人間は知らないものに対して嫌うという性質を持っているので、仕方のないことかもしれません。
レンタルスペース可能な物件が少ないもう1つの理由として、責任者不在の状況で不特定多数の人が出入りするから。
たとえば、会社の事務所として利用する場合、基本的にその会社の社員の誰かしらがその場にいます。
対するレンタルスペースは、不特定多数の人間が出入りする。しかも責任者が常駐しないという。たしかに、貸主側からするとちょっと怖いかもしれません。
※不動産会社への問合せ方によって、物件が見つかる率が大きく変わってきます。詳しくは「②不動産会社への問合せ」でご説明します。
2.どんなスペースにしたいのかイメージする
レンタルスペースと一言で言っても、様々な種類のスペースがあります。
会議ができる貸し会議室、整体ができるレンタルサロン、ダンスができるレンタルスタジオ、パーティーができるスペースなど、コンセプトによって物件の条件が変わってきます。
※どんなコンセプトにしたいか決まらない場合、「第2章コンセプト設定」を参考にしてみてください。
注意点として、イメージを固めすぎると理想の物件がなかなか見つからず、いつまで経ってもオープンできないということ。
ガチガチに固める必要はありませんが、その反面、何もイメージしないと漠然と探すことになってしまうため、ある程度はイメージしておくのがおすすめです。
3.希望のエリアを決める
不動産会社に問い合わせる前に、大まかなエリアを決めましょう。
ここが曖昧だと、問合せされた方も困ってしまうので、あらかじめ条件を揃えておくのが良いです。
ここでのポイントとして、エリアは第3希望ぐらいまで用意しておくべき。理由としては、1つのエリアに絞ってしまうと見つからない可能性があるからです。
1つのエリアだけだと、タイミングによっては1件も物件が見つからない可能性があるため、できれば範囲を広く見ておくことがおススメです。
その際の注意点として、東京都内全域などとてつもなく範囲を広くしてしまうと探す方も困ってしまうので、ある程度の絞り込みは必要です。
ぼくが大阪で物件を探していたときは、「第1希望は梅田・大阪、第2希望は心斎橋・難波、第3希望は新大阪か天王寺。物件がなければ御堂筋線沿いの乗降客数が多い駅から探してほしいです」という感じで問合せをしていました。
もう1つの注意点として、スペースのコンセプトによってもエリアが変わってくるということ。
たとえば、
「会議ができる貸し会議室を作りたい場合、ビジネスマンが多いオフィス街が良さそう」
「パーティースペースを作るなら、オフィス街よりも若い層が集まりやすい繁華街の方が良さそう」
というように、スペースを使ってくれるお客さんの層を考慮して、場所選びをするのが良いでしょう。
最後にもう1点。最初のレンタルスペースはできれば土地勘のある地域を選びましょう。
ある程度の土地勘があると街の雰囲気や客層がわかるので、その街に合ったスペースを作りやすくなります。
ぼく自身、最初の3店舗は地元である横浜に作りました。4、5店舗目は大阪に出しましたが、祖母や妹が住んでいて何度も行ったことがあるため、馴染みがありました。
知らない場所は選ばないという人間の心理があるので、その点は大丈夫だと思いますが、念のため補足させていただきました。
- レンタルスペースが可能な物件は少ない
- スペースのイメージは固めすぎず柔軟に
- 希望のエリアを決める際、第3希望まで用意しておく
- 客層にあったエリアを選ぶ
- 最初は土地勘のある場所がベター
②不動産会社への問い合わせ
不動産会社への問い合わせについて、まとめました。
✔ 不動産会社への問い合わせ
1.問い合わせる前に準備すること
2.問い合わせる際のポイント
1.問い合わせる前に準備すること
不動産会社へ問い合わせる前に、物件の条件を想定しておくべきです。
✔ 事前に想定するべき物件の条件
・予算
・エリア
・駅からの距離
・広さ
1つずつ解説していきます。
・予算
初期費用(契約時にかかるお金)と維持費(月々の家賃)の2つにわけて考えていきます。
まず「初期費用はどこまで出せるか?」という点です。
賃貸物件を契約する場合、敷金、礼金、保証金、仲介手数料、前家賃、火災保険料、鍵交換料などかかります。
物件にもよって差はありますが、家賃の6ヶ月分は見ておいた方が良いでしょう。
※家賃が高くなればなるほど、敷金や保証金の割合が高くなります。
家賃が10万円以下であれば敷金2、3ヶ月分というところが多いですが、家賃が20万円を超えてくると、敷金・保証金だけで10ヶ月も取られることもあります。
次に維持費(月々の家賃)ですが、初めてのレンタルスペース運営の場合はできる限り安く抑えたいところだと思います。
もちろん安いに越したことはありませんが、安かろう悪かろうにならないよう注意が必要です。
たとえば家賃5万円の格安物件を見つけたとして、この物件で本当に売上を上げることができるのか?という目線で見ることが大切です。
家賃は安いけど売上が上がらないというのは本末転倒なので、目先の安さに惑わされないよう注意しましょう。
・エリア
エリアに関するポイントをまとめました。
✔ エリアに関するポイント
・第3希望まで決めておく
・客層に合った場所を選ぶ
・最初はある程度の土地勘がある場所を選ぶ
※詳細は「①物件を探す前にやるべきこと」の「3.希望のエリアを決める」をご参照ください。
・駅からの距離
駅からの距離は近いに越したことはありませんが、その駅はどのぐらいの規模なのか確認が必要です。
渋谷駅や新宿駅から徒歩5分の物件であれば、めちゃめちゃアクセスがいいですが、1日の乗降客数300人のマイナー駅から徒歩5分というのは微妙かもしれません。(車移動が主な地域の場合、駅からの距離よりも駐車場の有無が重視されたりもします)
駅からの距離だけに惑わされず、その駅で果たしてどのぐらいの集客が見込めるのか?を意識することが大切です。
ネットで「神奈川 乗降客数」というように、県名を入れて検索をすると、その県に存在する駅の1日の乗降客数がランキング形式で見ることができます。
下記、ぼくがエリアを選定する際に参考にしているサイトです。
・広さ
物件の広さも想定しておくのが良いでしょう。
ただ、「新宿駅から徒歩5分、家賃5万円、広さ100㎡」というのは無理な話です。予算やエリアによって「その条件だとこのぐらいの広さ」という相場が見えてきます。
ネットで「横浜駅 貸店舗」というように希望エリアを入れて検索すると、物件が出てくるので事前に相場を調べておきましょう。
2.問い合わせる際のポイント
まず初めに大事なポイントをお伝えさせていただくと、
不動産会社に問い合わせる前に、ネットで物件を検索しておくことをおすすめします。
ネットで、「横浜駅 貸店舗」というように検索すると、物件情報のサイトがたくさん出てきます。
その中でぼくがよく使っているのがアットホームです。ホームズやスーモなど他にも有名なサイトはありますが、ぼくの感覚だとアットホームが一番更新頻度が高く、物件を見つけやすいです。(更新頻度が低いサイトだと、すでに終了している物件が掲載されていたりします)
アットホーム上で、エリアや賃料、広さなど条件を指定して検索をかけることができるので、どのような物件があるのかを事前に確認しておくと良いでしょう。
※検索をかけるとき、条件を厳しくしすぎると物件が出てこない可能性があります。
「開業する業種」に関しては、一旦すべて表示させると良いでしょう。
・物件が見つかったら、メールでお問合わせする
気になる物件があったら問い合わせしてみましょう。
問い合わせる際のポイントですが、不動産会社に動いてもらえるように考えて問い合わせするべきです。
✔ 不動産会社への問い合わせ時のポイント
・レンタルスペースで運営したいときちんと伝える
・「問い合わせた物件以外にも探してほしい」と伝える
・希望の条件を伝える
・本気度を伝える
・1件ではなく、複数同時に問い合わせをする
・レンタルスペースで運営したいときちんと伝える
レンタルスペースの物件は見つかりづらいため、事務所として契約してそれを無断で貸し出してしまうという方がいると聞いたことがあります。
そうすれば確かに物件は見つかりやすいかもしれませんが、トラブルになる恐れがあるので、絶対にやめた方がいいと思います。
ぼくが運営している物件はすべて、レンタルスペースとして許可されています。
・「問い合わせた物件以外にも探してほしい」と伝える
問い合わせた物件以外にも探してもらえるよう、不動産会社に伝えるべきです。
問い合わせした物件がレンタルスペース可能かどうかわかりません。
1件だけ問い合わせしたところでNGとなってしまったら終了なので、他の物件も探してもらえるよう依頼してみましょう。
・希望の条件を伝える
他の物件を探してもらうには、どういった物件を希望しているのかという条件を伝えるべきです。
その際、あまり条件を厳しくするとなかなか見つからないため、できるだけ緩い条件で依頼するのがおすすめです。
・本気度を伝える
ここは結構重要ですが、いい物件があれば本当に申し込みたいという本気度を伝えましょう。
ここが弱いと検討初期段階と思われてしまい、なかなか動いてもらえません。
すぐに契約してくれそうな今すぐ客感を出した方が、物件が見つかりやすくなります。
・1件ではなく、複数同時に問い合わせをする
複数の不動産会社がアットホームに掲載しています。
レンタルスペース可能な物件は少ないため、できるだけ多くの不動産会社に問い合わせすることをおすすめします。
基本的にどの不動産会社も同じ物件を取り扱えるので、どこに問い合わせをしても同じなのでは?思われるかもしれませんが、全然違います。
たとえば「横浜駅から徒歩7分以内、家賃10万円以下でレンタルスペースができる物件を探しています」と複数の不動産屋に問い合わせをしたら、それぞれ違う物件を紹介してきます。中には1件もなかったと言ってくるところもあるかもしれません。
ぼくは不動産屋ではないので、詳しい内情まではわかりませんが、担当してくれる営業マンの腕だったりやる気次第で、紹介してもらえる物件が変わってくるのです。
こちらが提示した条件を聞いて、ネットでサクッと調べて「ない」という営業マンもいれば、「そういえばあの物件のオーナーさんであればレンタルスペースいけるかもしれない」と、これまでの人脈や経験で動いてくれる営業マンもいたり、様々です。
なので、1つの不動産屋に問い合わせをして、「ない」と言われても決して諦めないでください。
ただ前提条件として、相手に行動してもらうのは難しいので、こちらの行動量を増やすことをお勧めします。
ぼくの場合は、最低でも同時に10社に問い合わせをします。
10社に問い合わせた場合、ぼくの感覚ですがちゃんと動いてくれるのは1~2社だけです。他のところは返事がなかったり、「ありませんでした」という回答だけだったり。
大阪や福岡でレンタルスペースを開業する際、30件以上問い合わせをしてやっと内見することができました。
※30件というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、問い合わせの文章を作っておけばあとはコピペして使いまわせるので、正直そこまで苦ではありません。
実際にぼくが問い合わせる際は、以下のような文章を送っています。
はじめまして、〇〇と申します。
レンタルスペースとして運営できる物件を探しています。
不特定多数の人が出入りするというより、定期的に利用してくれる方をターゲットとした会員制のような運営を考えています。
物件の条件として、
・駅から徒歩7分以内
・15平米以上
・できれば乗降客数が多い駅を優先したい
別エリアでもレンタルスペースを運営しているため、物件契約から運営までの段取りを経験しています。
今回お問合せした物件以外でも、良さそうな物件があればぜひご紹介いただきたいです。
良い物件があり次第、内見させていただけると嬉しいです。
〇月中に申し込みができればと考えています。
お忙しいところお手数ですが、何卒よろしくお願いいたします。
③内見時に見るべきポイント
気になる物件が見つかったら、内見に行ってみましょう。
初めてのレンタルスペース運営ということであれば、できるだけ実際の物件を見に行った方が良いです。
慣れてくれば間取り図だけでなんとなくわかったりもしますが、経験が少ない場合は物件を見に行くことで判断基準が培われてきます。
内見時に見るべきポイントについて、「部屋の中」「建物」「周辺環境」にわけてお伝えしていきます。
・部屋の中
部屋の中でのチェックポイントです。
まず見ておきたいのは部屋の広さ。スペースのコンセプトや定員によって必要な広さは変わってきますが、このスペースだと実際にどのように貸し出せるか?をイメージしてみましょう。
メジャーを持参して、気になる物件に関しては部屋のサイズを測っておくことをおすすめします。
次に大事なのが音が響くかどうかです。
・こちらが出した音が外部に漏れるか?
・外部の音が部屋まで聞こえてくるか?
この2点をチェックします。パーティースペースやダンススタジオを開業する場合、外まで音が響いてしまう可能性があります。
近隣の方からクレームが来てしまったら営業停止になりかねないため、注意が必要です。下記は実際にぼくが運営しているスペースの1つでクレームが来てしまい、撤退することになった話をまとめた記事です。
逆に外部の音がどれだけ聞こえるかも確認しておきましょう。
セミナーや会議ができるスペースなのに、外の音がうるさくて集中できないということになったら最悪です。
実際に運営しているぼくとしてしては、音に関しては少し神経質なぐらい気にかけた方が良いと思っています。
あと大事なのはトイレです。いくら部屋が綺麗だったとしても、トイレが微妙だとお客さんの満足度が下がり、リピート率も下がります。
特に女性の場合、トイレの綺麗さは重視される方が多いため、自分がお客さんだったらこのトイレはありか?という観点でチェックしてください。
あとは日当たり、部屋の綺麗さ、換気、エアコンあたりを見ておくと良いでしょう。
・建物
次に物件の建物に関して見るべきポイントです。
まず大事なのは、24時間入退室が可能か?ということ。
建物によっては、夜の時間帯は鍵がないと建物に入れないなんてところもあります。
そうなるとお客さんが入退室する手間が発生するのと、鍵の管理が面倒になります。
場合によっては深夜営業ができないということもあるので、事前に建物への入退室は確認しておきましょう。
次に建物自体にどんな方がいるのか?ということ。
店舗が多いのか、事務所が多いのか、住んでいる人が多いのかによって、騒音に関する許容範囲も変わってきたりします。
たとえば、店舗が多ければ多少の騒音も平気だったりしますが、住んでいる人が多いとちょっとした音でクレームになることがあります。
最低限、隣と上下階にどんな人なのか?といことは確認しておきましょう。
あとは建物の外や窓に看板を出せるか?ということ。レンタルスペースはネット集客が主なので、集客のためというより、予約してくれたお客さんが迷わずに部屋にたどり着けるために看板を設置できるかということです。
もし看板の設置が難しく部屋の入口がわかりづらい場合、予約後の案内で丁寧に道案内をする必要が出てきます。
・周辺環境
まず見ておきたいのが駅からのアクセスです。
単純に駅からの時間だけではなく、わかりやすい道順か?歩きやすい道か?階段や坂道がないか?など、実際にスペースまでの道のりを確認した方が良いです。
内見時は不動産会社の用意してくれた車で移動することが多いですが、本命の物件に関しては、実際に駅からスペースまで歩いてみましょう。
たとえば、イベントスペースを開業する場合、近くにコンビニやスーパーがあるとお客さんにとって便利です。
また、セミナーや会議ができるスペースを開業する場合、コンビニや飲食店があるとセミナーの休憩中に重宝されたりします。
④申し込みから契約までの流れ
いよいよ物件の申し込みです。
・物件の申し込みについて
こればっかりはタイミングなので、良い物件があったとしても他の人が先に申し込みをしてしまったら、その時点でアウトです。
もし気になる物件に出会ったら、思い切って申し込みをするぐらいの勢いがあった方が良いです。(とはいっても、売上が出せるかどうかの判断は必須です)
これまでに何百件という物件を見てきましたが、100%理想通りという物件には巡り会えません。
ぼくの場合は70%を越えれば申し込みという考えで動いています。
利益を出せる自信がなければ契約しない方が良いですが、100%の物件が見つかるまで探し続けて、3年経ってもまだレンタルスペースを始められていないというのはもったいない話です。
本当にやりたかったら50%でも60%の物件でも契約して、まずはやってみる。
運営する前から悩みすぎてしまうと、結果1ミリも前に進むことはありません。実際に運営して見えてくるものの方が多いので、まずはやってみてそこから軌道修正するのがおすすめです。(しつこいようですが、売上が出せるかどうかの見極めは絶対に必要です!)
「もしこの物件でどうにもいかなかったとしたら、スパッと諦めて解約する」ぐらいの気持ちを持っておいた方が先に進めます。
もし1件目の物件で失敗したとしても、少なからず一度運営を経験しているので、右も左もわからかった最初の頃と比べると確実にレベルアップしています。
そのレベルアップした状態で、改めて物件を探せば最初に比べて良い選択ができそうです。
3年間も物件を探して何も進まない人と、失敗しながらでも3年間レンタルスペースの運営を実際にやってきた人と比べると圧倒的な差が付きます。
あまり無責任なことは言えませんが、ぼく自身そういったスタンスでやってきて確実に成長を感じているので、とにかくやってみようの精神を持つのは大切です。
・申し込みから契約まで
物件の申し込みをすると入居審査となり、無事に審査が通れば晴れて契約となります。
初期費用を支払って物件の引き渡しとなりますが、ぼくの場合はできる限り引き渡しを後ろに延ばしてもらうよう交渉します。
なぜかというと、初月から最大限の売上を出したいからです。
申し込みから引き渡しまでの期間が短いと、その分準備する時間が少なくなってしまいます。
もし準備期間が長ければ、その間にHPを作ったり、ポータルサイトの掲載文を考えたり、備品や設備を揃えたり、いろいろと準備ができます。
毎日フル稼働で動けるなら話は別ですが、おそらく他の仕事をやりながら開業準備をすることになる方が多いと思うので、そうなってくると準備期間は長い方が絶対にいいです。
ただ、物件のオーナーさんからすると、できるだけ引き渡しを前倒しにして早く賃料を発生させたいという気持ちです。
物件によって変わってきますが、申し込みから1か月後に引き渡しというのが目安になりそうです。
もう1つのポイントとして、不動産会社経由で家賃交渉を入れてみることをおすすめします。
たとえば、
・礼金を安くしてほしい
・1か月フリーレントにしてほしい
など、もしかしたら応じてくれる可能性もあります。お願いするのはタダなのでダメ元でも交渉してみるといいかもしれません。
無理な交渉を持ちかけると印象が悪くなるので注意が必要ですが、基本的に物件のオーナーさんの間に不動産会社が入ってくれるので角が立たないよう交渉してくれるはずです。
今後多店舗展開をしていくためには、不動産会社と良好な関係を築くことが大切です。仲介手数料の値引きは不動産会社の取り分が少なくなってしまうため、ぼくは交渉しません。相手にメリットある形を作ることがよい関係を築くためのポイントです。
第2章:コンセプト設定【利益が出せる人気スペースの作り方】
第2章では、利益を出すためのレンタルスペースの作り方についてお伝えしていきます。
以下、第2章の目次です。
- ターゲット設定とコンセプト決めの重要性
- 利益を出すために押さえるべきポイント
- 利益が出せない残念なスペースの特徴
- 競合調査はどんなことがあってもやるべき
- 各スペースの特徴(コンセプト決めの参考にしてください)
内容に入る前に、大事な注意点をお伝えさせていただきます。
この章の内容をしっかり把握しておかないと、実際にレンタルスペースを開業しても利益が出せないということにもなりかねません。
ぼくはこれまで何十件というレンタルスペースを見てきましたが、第2章に書かれていることができているかどうかが、そのスペースの売上の明暗につながっています。
利益を出せる人気レンタルスペースを作るため、この章に書いてあることは、ぜひ実施いただくことをおすすめします。
①ターゲット設定とコンセプト決めの重要性
レンタルスペースを開業する際、以下の2つを決める必要があります。
1.どんなスペースを作りたいのか?(コンセプト決め)
2.どんな人に使ってもらいたいのか?(ターゲット設定)
この2つが曖昧だと、売上を出していくのが難しくなります。
実際にぼくが経験したことなのですが、コンセプトやターゲットを決めずにレンタルスペースを運営していたことがあります。
結果は惨敗。利益を出すことはできませんでした。それについて書いた記事があるので、参考にしてみてください。
・なぜターゲットとコンセプトを決めないといけないのか?
人気レンタルスペースを作るためには、ターゲット設定とコンセプト決めは最重要事項です。
ここが明確でないスペースは、例外なしに予約が入らず利益が取れていません。
明確にすればするほど訴求力が高まり、振り向いてもらえる可能性が高くなります。逆に、誰でもウェルカムなスペースだと誰も振り向いてくれません。
たとえば、「どんな使い方でもOKなレンタルスペース」だと、ターゲットとなる母数は多いですが、自分に対して呼びかけてくれているとは思ってもらえません。
「4~6人で誕生日会が開けるようパーティーグッズやゲームなど取り揃えたインスタ映えするスペース」だとどうでしょうか?
もし少人数で誕生日会ができるスペースを探している場合、後者のスペースが選ばれそうです。
ターゲットを絞るとそれに当てはまる人しか来なくなるじゃないか?と思われるかもしれませんが、実際にはその逆です。
ターゲットを絞ることで、振り向いてもらえる人を増やしていくのです。
・ペルソナを使ってみる
ターゲットを絞るために、ペルソナ設定という手法があります。
ペルソナとは、「商品・サービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデル」のこと。
ターゲット設定というと「30代会社員女性」というようなざっくりしたくくりが多いですが、ペルソナ設定はかなり細かいです。1人の人物に限定するぐらい細かく絞り込みます。
その人の名前、年齢、性別、住んでいるところ、職業、収入、家族構成、ライフスタイル、悩みなど。
ぼくは横浜でダンスができるレンタルスタジオを運営していますが、下記のようなペルソナ設定をしました。
✔ ペルソナ設定の例
山田花子(仮名)
29歳女性、横浜市在住、一人暮らし
職業は会社員(事務)だが、自分の好きなことを仕事にしたいと思い、ベリーダンスの教室開講を決意。
これから生徒さんを集めるため、いきなり自分で物件を借りるのは難しく、レンタルスタジオでの開講を検討中。
通勤途中である横浜駅であれば、アクセスもいいし生徒さんも通いやすい。
大人数ではなく、5,6人ぐらいの少人数制のダンスレッスンを、平日夕方以降に週2回程度できればいいと思っている。
ただ、これまで教室を開講したことがないので生徒さんが集まるかどうかが不安。
このぐらい具体的に設定できれば、その方に予約してもらうにはどんなスペースを作ればいいのかが見えてきやすくなります。
面倒に思われるかもしれませんが、これをやるのとやらないのとで今後の売上が変わってくるので、ぜひ具体的に書き出してみてください。
②利益を出すために押さえるべきポイント
当たり前の話ですが、魅力的なスペースを作れば人が集まってきて利益が出ます。
でもここを勘違いしてしまう人が多くて、自分から見て魅力的か?ではなく、ターゲットとしているお客さんから見て魅力的なのか?ということに気をつけなければいけません。
「お客さん目線になる」というのは基本的な話ではあるんですが、実際に自分が売り手に回るとお客さん目線を忘れてしまいます。
自分のスペースってどうしても愛着が湧いてしまい、大半の人が過大評価してしまいがちです。
ぼく自身にも言えることなんですが、ちょっと油断すると「これだけがんばって作ったスペースなんだからお客さんもきっと満足してくれるだろう」なんて思ってしまうんです。
厄介なのは、スペースを作っていくうちに自分色を出してみたくなって、変に内装をこだわってしまったり、備品をごちゃごちゃ置いてしまったり、自己満足に走ってしまうことがあります。
スペースを作るとき、それはお客さんが求めていることなのか?もっというと、ターゲットとなるお客さんが求めているのか?という視点を常に持っておくことが大切です。(※ターゲット設定が曖昧だと、お客さん目線になれません)
③利益が出せない残念なスペース
お客さん目線に立てていないスペースは、高確率で利益を出せていません。
たとえば、20代の若い女性にパーティーやイベントで気軽に使ってもらえるようなスペースを作る場合。
内装に何百万円もかけて、インスタ映えするめちゃめちゃこだわった素敵なスペースを作ったとします。
でもお金をかけた分、1時間の利用料金が3万円という高額な価格設定になってしまい、その価格だと20代女性が気軽に利用できず、予約が入らないという。
もう1つ例を上げてみます。貸し会議室をオープンしたものの、貸し会議室を使うようなビジネスマンがほとんどいない住宅街のど真ん中に開業してしまい、全然予約が入らないという。
側から見ると笑い話のようですが、実際にそんなスペースが存在するんです。
とにかくお客さん目線に立つこと。自分だけだと客観的に見えづらいため、知り合いや友だちに意見をもらうのも1つの手です。(もちろんぼくにご相談いただいても全然OKです)
④競合調査はどんなことがあってもやるべき
競合調査は必ずやるべきです。最低限、同じ最寄り駅にあるレンタルスペースは調べておきましょう。
たとえば、「東京の新橋駅はビジネスマンが多く、貸し会議室の需要はありそう。もし駅近くに貸し会議室をオープンすれば流行るかもしれない」
でもこれって他の人も同じことを考えていて、実際に新橋駅の近くに貸し会議室は山ほどあります。
競合のことを知らずにオープンしてしまい、蓋を開けてみるとめちゃめちゃ強力な競合スペースが隣にあって全然予約が入らないなんてことにもなりかねません。
なので、競合調査だけはどんなことがあっても必ず実施してください。
調べ方ですが、ネットで競合スペースの価格やアクセス、スペースの広さ、設備など確認するのはもちろんなのですが、できれば実際に予約して競合スペースの様子を見に行きましょう。
ネットで見るだけと実際に行ってみるのだと、気付きの量も変わってきます。時間とお金がかかってしまいますが、ここは出し惜しみせず未来への投資だと思って取り組むことをおすすめします。
下記、競合調査について書いた記事があるので、参考にしてみてください。
⑤各スペースの特徴(コンセプト決めの参考にしてください)
以下の4つのコンセプトについて、掘り下げてご紹介していきます。
✔ 代表的なレンタルスペースのコンセプト
①会議ができるスペース(貸し会議室)
②パーティーができるスペース
③ダンスができるスペース(レンタルスタジオ)
④整体やエステの施術場所(レンタルサロン)
①会議ができるスペース(貸し会議室)
一番参入しやすいかもしれません。テーブル、椅子、ホワイトボード、モニターを置けば簡単に開業できます。
20~30㎡の広さで8人程度が入れるスペースを作られる方が多いように思います。そのぐらいの広さであれば、場所によっては家賃5万円程度で借りられます。
賃貸契約時の初期費用30万円、備品購入費20万円、合計50万円で開業という手軽さです。
初期費用が抑えられ簡単に開業できるというのがメリットですが、その反面ライバルが多いです。特に、会議室需要が多いビジネス街は完全に飽和状態という感じです。
あとお伝えしたいのがリピート率が低いという点。毎週セミナーや会議で使ってくれるリピーターを獲得できれば安泰ですが、予約の多くは単発利用。
毎週決まった場所でセミナーや会議をする人って少ないんです。(いたとしても、老舗の貸し会議室に取られています)
ぼくは1年半ほど貸し会議室を運営していたことがありましたが、ほぼほぼ利益が出ませんでした。
貸し会議室を作るとしたら、近隣の競合スペースの予約状況をしっかり調べておきましょう。(競合スペースが予約で埋まっていれば、供給が追い付いていない可能性があります)
②パーティーができるスペース
今レンタルスペースの中で一番流行っているスペースかもしれません。ここ数年で急速にスペースの数が増えてきました。
貸し会議室に比べて、1時間あたりの単価を高く設定しても集客が可能です。目安ですが、同じスペースだとしたら貸し会議室の2倍の価格にしても予約が入るイメージです。
ただ新宿や池袋は飽和状態で、今からスペースを出したとしても数ある競合スペースと戦わなければいけません。主要都市以外であればまだ利益は取りやすいですが、大手運営会社が参入してきているため、数年後はどうなっているか、、、というところ。
ですが、あと数年は利益が取れると思うので、何件も開業されるという方もいらっしゃいます。
注意点としては、売上に波があること。ハロウィンやクリスマスなどイベントが多い時期であれば売上が上がりやすいですが、1月2月など閑散期は一気に売上が落ちます。繁忙期の半分になってしまうところもあるようです。
また、貸し会議室と同じくリピート率が低いため、常に新規を追い続けないといけません。人気スペースになればなんだかんだ予約は入ると思いますが、リピーターが少ないと売上が安定しづらく不安定です。
ぼくがパーティースペースを運営するとしたら、イベント主催者などリピートしてくれる層を狙います。
たとえば、パーティーや交流会、婚活、ボードゲーム、ゲーム会、オフ会など定期的にイベントを主催されている方を何組か見つけてくればそれだけで売上が安定します。
イベント主催者専用のレンタルスペースにするというのも、一つの手かもしれません。
③ダンスができるスペース(レンタルスタジオ)
ぼくは6店舗のレンタルスペースを運営していますが、すべてダンスができるレンタルスタジオです。
レンタルスタジオのいい点はリピート率が高いところ。パーティーや会議に比べ、ダンスをする人は繰り返し使ってくれる傾向にあります。
というのも、ハロウィンパーティーをやるとしても年1回。しかも毎年同じ場所でやることは考えづらく、リピートしてくれる可能性はとても低いです。
対するレンタルスタジオですが、ダンスをする人ってたぶん1年後もダンスをしている可能性が高いです。毎週でなくても月1、2回ぐらい個人練習をするためにスタジオを使うという方がたくさんいます。
パーティースペースと違って、一度使って気にいってもらえたら2度3度と使ってもらえることが多く、リピートにつながりやすいのです。
もしダンス教室の先生がお客さんになれば、毎週何曜の何時というように定期的に予約をしてくれます。
ぼくが運営している50㎡の一番広いスタジオですが、7割がリピーターです。ダンス教室の予約で埋まっているため、半年後も1年後も予約で埋まっていて、売上が安定しています。
こう書くとレンタルスタジオが一番いいのでは?と思われるかもしれませんが、問題点もあります。
それは、レンタルスタジオが可能な物件がなかなか見つからないということです。
そもそもレンタルスペース可能な物件が少ないのですが、さらにダンスが可能な物件となると相当限られてしまいます。
ダンスは音や振動が出やすいため、会議室はOKだけどダンスはNGといった物件も多いです。
レンタルスタジオOKの物件を見つけたとしても、騒音が原因でクレームになってしまい、最悪の場合は営業を続けられなくなってしまうリスクもあります。
また、レンタルスタジオを出せば絶対に利益を取れるというわけではなく、そこはきちんと集客しないといけません。
ネットで他のレンタルスタジオの予約状況を見てもらえるとわかると思いますが、ぼくのスタジオのようにびっしり埋まっているところは全国的に見ても珍しいかもしれません。
④整体やエステの施術場所(レンタルサロン)
ダンスができるレンタルスタジオ同様に、リピート率がとても高いです。
自分のサロンを持っていない整体師やエステティシャンの方が主なお客さんとなりますが、患者さんから予約が入る度にスペースを使ってくれます。
レンタルサロンのいい点は、ダンスと比べて騒音の問題もないため、物件が見つかりやすいことです。
ただ、注意点としては、整体師やエステティシャンが患者さんを集客できないと予約してもらえないということ。
いくら整体師やエステティシャンがいたとしても、その方が患者さんを抱えていないと予約してもらえません。
集客が得意で患者さんをたくさん抱えている整体師やエステティシャンは、自分のサロンを持っていたりします。
お客さんがまだ少ない整体師やエステティシャンがレンタルサロンを利用されることが多いので、サロン集客サポートといった付加価値を付けるなど何かしらの工夫をした方がいいかもしれません。
第3章:開業準備【オープンまでに必ずやっておくべきこと】
第3章では、オープンまでに必ずやっておきたい開業準備についてお伝えしていきます。
以下、第3章の目次です。
- オープンまでのスケジュール計画
- オープン日を決めてしまおう
- オープンまでにやるべきこと一覧
ここでのがんばり次第で、初月から売上が出せるかどうかが決まってきます。
正直なところ、開業準備の期間がやることがたくさんあり一番ツラいです。でもこのツラさがずっと続くわけではなく、乗り越えれば「明るい未来が待っている」と思い、がんばっていきましょう!
①オープンまでのスケジュール計画
オープンまでにやることはたくさんありますが、まずはそれを整理する必要があります。
あれもやらなきゃこれもやらなきゃという状態だと、何から手を付けていいのかわからず、精神状態的にもよくありません。(人は行動することよりも意思決定をすることに疲労を感じるため、やることを明確にするべきです)
✔ スケジュール計画のコツ
1.やることをリストアップする
2.自分でやるのか、人に依頼するか決める
3.かかる日数と期限、優先順位を決める
1.やることをリストアップする
まず、オープンまでに何をやればいいのか?を洗い出していきます。
備品を揃える、スペース名を決める、ポータルサイトに登録、看板を作る、HPを作る、、、箇条書きでも良いので書き出します。
2.自分でやるのか、人に依頼するか決める
次に、その作業を「自分でやるのか?」「人に依頼するのか?」でわけていきます。
わけることによって、自分自身の作業量が明確になってきます。
3.かかる日数と期限、優先順位を決める
さらに、その作業が完了するまでにかかる日数と、いつまでに完了させるべきかの期限を出します。
こうすることで、何から取り組めばいいのかの優先順位が見えてきます。
次に、スケジュール計画を立てる際の注意点です。
✔ スケジュール計画の注意点
1.細分化をすること
2.余裕を持ったスケジュールで
3.人に依頼するのはとにかく早めに
1.細分化すること
やるべきことをリストアップする際、「必要な備品を揃える」だけだと、実際に何を揃えればいいのか見えてきません。
具体的に何を買うか?そして、どこで購入するのか?というところまで落とし込むと、行動しやすくなります。
2.余裕を持ったスケジュールで
いざ動き出すと、計画しているときには予想もしなかったようなトラブルが発生したりします。
ぼくの例でいうと、鏡を貼り付けるためにドライバーを用意していましたが、現地を確認してみると壁がコンクリートでした。どうすればコンクリートの壁に鏡を付けられるのか考えるのに、結構な時間をロスしました。(結局、コンクリートに穴を開ける専用ドリルを購入しました)
お客さんやまわりの方に迷惑をかけてしまうのはNGなので、余裕を持ったスケジュールを組んでいきましょう。(※追い込まれて力を発揮できるタイプの方もいますし、あまりに余裕なスケジュールだとダラけてしまう可能性もあるのでご注意ください)
3.人に依頼するのはとにかく早めに
人に依頼する作業は、とにかく早めに依頼することをおすすめします。
自分がやる作業であれば、不眠不休でがんばればなんとかなるかもしれませんが、人に任せてしまうと自分で制御ができません。
ぼくの場合は、スペースのロゴや看板デザインなどを人に依頼しましたが、もし自分の思っていたものと違うものが納品された場合、修正してもらう必要が出てきます。
自分が100%コントロールできないことに関しては、特に早め早めに進めていきましょう。
②オープン日を決めてしまおう
物件の引き渡し日が決まったら、オープン日を決めてしまいましょう。
「スペースが完成した段階でオープン」だと、ついつい先延ばしにしてしまったり、いつから集客をかけていいのかが曖昧になって売上にも影響してきます。
※オープンまでのスケジュール計画をしっかり立てると、物件引き渡しから何日後ぐらいであればオープンできるか見えてきます。必ず「①オープンまでのスケジュール計画」を実施してください。
ここで、短期間でオープンするためのコツをお伝えいたしますが、それは完ぺきを求めないということ。
ロゴや看板、チラシなど、すべてを完ぺきに作りこまなくてもオープンは可能です。
初めてレンタルスペースを立ち上げる場合、何が必要で何が不要なのかのイメージも付かないと思います。なので、まずは最低限の設備でオープンしてしまっても、問題ありません。
ただ、お客さんに迷惑をかけてしまうのは言語道断ですし、準備が不十分だったためにお客さんの満足度が下がりリピートにつながらないというのはもったいないのでご注意ください。
ちなみに、ぼくは物件引き渡しから3日以内にオープンという気持ちで進めています。実際に平均3日でオープンしています。
③オープンまでにやるべきこと一覧
オープンまでにやるべきことをまとめました。「スペース作り」「お客さんへの告知(集客)」の2つにわけてお伝えしていきます。
※スペースによってはやらなくてもいい項目もあるので、必要なものだけ取り入れてください。
✔ オープンまでにやるべきこと【スペース作り編】
1.内装を整える
2.備品を揃える
3.ロゴや看板を作る
4.スペース内の注意書き
✔ オープンまでにやるべきこと【集客編】
1.ポータルサイトへ登録
2.ホームページ制作
3.SNSに投稿
オープンまでにやるべきこと【スペース作り編】
1.内装を整える
まず、スペースの内装作りです。ここをどう作るかによって、予約がどれだけ入るかにも影響してきます。
たとえば、パーティースペースを作るのであれば、写真映えするオシャレな雰囲気にした方が予約が入りやすくなります。
パッとしない地味なスペースだと、競合に負けてしまい誰も予約してくれません。
ここでの注意点として、どんな人にどんな風に使ってもらいたいのか?を明確にすることです。
ビジネスマンをターゲットとしているのに、女子ウケするようなピンクの部屋にしても居心地が悪いでしょうし、誰のスペースなのかが曖昧だと予約は入りません。(※スペースのターゲット、コンセプト設定については「第2章のコンセプト設定」をご参照ください)
ぼくの場合は、ダンスができるスペースを運営していますが、オシャレさには力を入れていません。
インテリアなど一切なく、壁に鏡を貼って床をフローリングにして完成です。写真映えよりも、ダンスがしやすいかどうかを重視しています。
どんな内装にすればいいのかイメージが湧かない場合、スペースマーケットやインスタベースで、他のスペースがどんな内装なのか調べてみてください。
その際、予約がたくさん入っている人気のスペースを参考にすると良いでしょう。
2.備品を揃える
備品に関しては、最初からあれもこれも置かず、まずは必要最低限に押さえるべきです。理由は3つあります。
✔ 備品を最低限に抑えるべき理由
・運営してみないと必要がどうか見えてこない
・一度置くと置き続けないといけない
・管理が大変
・運営してみないと必要がどうか見えてこない
良かれと思って買ったものが、実は誰も必要としていなかったということがありました。
ぼくの場合、貸し会議室にボードゲームを数種類置いてみましたが、誰かが使った形跡はありませんでした。
実際に運営してみると、どんな用途でスペースを使ってくれるのかが見えてきたり、お客さんの声を聞くこともできます。最初から備品を揃えるのではなく、お客さんの状況を見ながら増やしていくのがおすすめです。
※補足として、ボードゲームを置くのが悪いというわけではなく、ぼくのスペースに来るお客さんには不要だったということ。会議やセミナーのために予約された方はボードゲームはやりませんし、ボードゲームをやりたい人は自分でボードゲームを持ってきます。(数十、数百種類のゲームを取り揃えたら話は変わってきますが、数種類だとあまり意味がありません)
・一度置くと置き続けないといけない
備品を一度置くと、お客さんとしてはそれがあるのが当たり前となります。
もし途中でなくなったりしたら、満足度が下がったり、最悪の場合クレームになってしまう可能性もあります。
特にリピーターを狙ったスペースを作る場合、このあたりの見極めが大事です。
たとえば、トイレにペーパータオルを置くとして、それをずっと維持できるか考えるべきです。
タオルよりもペーパータオルの方が衛生的ですし、お客さんからするとペーパータオルの方が良いでしょう。
ただ、ペーパータオルを毎回購入するとなるとコストがかかりますし、買いに行く手間も発生します。さらに、ゴミが溜まるのでその処理も必要です。
最初からタオルであれば問題ないと思いますが、途中でペーパータオルからタオルに変わったら確実に満足度は下がるでしょう。
・管理が大変
備品が増えれば増えるほど管理が大変になります。
「備品の使い方がわからない」
「備品を使おうとしたら壊れている」
「備品を壊してしまった」
といったお客さんからの問い合わせが増えますし、もし備品が壊れてしまったらまた購入しないといけません。
備品の使い方を写真付きで説明したマニュアルを置く、備品を壊した場合は弁償してもらうなど、事前に対策を立てておきましょう。
3.ロゴや看板を作る
ここは必須項目ではありませんが、ないのとあるのだとあった方が良いです。
ロゴの役割として、親近感と認知です。
スペースマーケットやインスタベースといったポータルサイトに掲載する際、スペースオーナーのアイコンを設定できるのですが、そこにスペースのロゴを設定すると良いでしょう。
ロゴの出来具合で予約するか決めるお客さんはいませんが、多店舗展開してスペースが増えてくるほどロゴの役割は増してきます。
ちなみに、ぼくが運営しているレンタルスペースのロゴです。横浜、大阪、福岡ですべて同じロゴを使っています。
看板に関しては、それで集客するというよりは予約してくれたお客さんがスペースにたどり着くまでの目印という役割です。
レンタルスペースは、飲食店のように看板を見てふらっと立ち寄るということはほぼないですし、予約制のため急に立ち寄られたとしても逆に困ってしまいます。
目立つ看板を設置できるならした方が良いですが、そこに時間とお金をかけても費用対効果は悪いと思います。
ぼくの場合、入口ドアにA4サイズの簡単な案内を貼っているだけです。パワーポイントでサクッと作って、コンビニで印刷しただけのものです。
ただ、部屋の入口がわかりづらい場合、以下のような看板はあってもいいかもしれません。地下の部屋だったので、下記のような看板を設置しました。
ロゴや看板デザインはココナラというサイトで安く作ってもらえます。出品者によって価格は変わってきますが、ロゴであれば2,000~3,000円ぐらいで作ってくれる方もいると思います。
ココナラはこちら
4.スペース内の注意書き
「火気厳禁」「時間を守ってください」といったお客さんに必ず守ってもらいたいものは、スペース内で案内していきましょう。
ただ、多くのお客さんは注意書きを読んでくれません。ぼく自身、どこかお店に行ったときに、店内に貼ってある注意書きを意識して読むことはありません。
パソコンで綺麗に作ったとしてもお客さんの目に入りづらいため、手書きで作るのがおすすめです。
よくあるこんな注意書きよりも、
手書きで書かれたこっちの注意書きの方が目に付くと思います。
手書きの注意書きについて詳しく解説した記事があるので、ぜひ参考にしてみてください。
オープンまでにやるべきこと【集客編】
1.ポータルサイトへの登録
レンタルスペースを運営するなら、ポータルサイトへの掲載は必須です。いくら素敵なスペースを作ったとしても、そのスペースの存在を知ってもらわないと誰も予約してくれません。
自分でHPを作るのはハードルが高いですし、時間もかかります。そんなときに頼りになるのがポータルサイトです。
スペースマーケット、インスタベース、スペイシーといって、全国のレンタルスペースが掲載されているサイトがあるのですが、そこに自分のスペースを登録します。
「レンタルスペースを利用したい」というお客さんが見に来て、予約をしてくれます。
初月から売上を上げるためには、必ずポータルサイトに掲載をしましょう。
ポータルサイトについては、下記の記事を参考にしてみてください。
2.ホームページ制作
レンタルスペースを運営されていても、自分のホームページを持っていない方も多くいらっしゃいます。
その理由は、ポータルサイトに掲載するだけで集客できるから。手間をお金をかけてまでホームページを作りたくないと考えている方が多いようです。
ただ、ぼくの考えとしてはホームページはあった方がいいです。というのも、確かにポータルサイトに掲載しておけば予約が入ってきますが、売上の30~35%というものすごい手数料が取られるのです。
もし月に100万円の売上を出したとしたら、毎月30万円以上もの大金をポータルサイトに支払うことになります。
もし自分のホームページから予約が入れば、30~35%の手数料がかからず、そのお金が丸々利益となります。(ホームページの作り方によってお金がかかるため、丸々でない場合もあります)
※ホームページについては、「第7章ホームページ制作」で詳しく解説します。
3.SNSに投稿
ホームページを作ったとしても、検索されたときに上位表示されないと誰にも見てもらえません。
そこで、ツイッターやインスタグラム、facebook、YouTubeといったSNSを活用することで集客の幅が広がります。
ただ、SNSに投稿したとしても、実際に予約をしてもらうまでの導線を考えないと予約につながりません。
SNSは集客するための手段の1つなので、「どうすれば予約につながるのか?」を意識してSNSを活用する必要があります。
第4章:集客【初月から売上を出すためのポイント】
第4章では、初月から売上を出すための集客についてお伝えしていきます。
以下、第4章の目次です。
- 初月から売上を出すための前提条件
- ポータルサイトへの掲載
- ホームページを作っておく
ここでのがんばり次第で、初月から売上が出せるかどうかが決まってきます。ぜひ力を入れて取り組んでいきましょう。
①初月から売上を出すための前提条件
まず、初月から売上を出すための前提条件からお伝えさせていただきます。
✔ 初月から売上を出すために
1.早め早めに行動する
2.完璧を求めない
3.うまくいっている人の真似をする
ここを押さえておかないと、早い段階で売上を出すことが難しくなっていきます。自己流で進めていくというのも1つですが、早く結果を出したいということであれば、こちらの前提条件を試してみるといいかもしれません。
1.早め早めに行動する
当たり前のことではありますが、行動しないと結果が出ません。初月から売上を上げるためには、1日でも早くオープンすること。
オープン日を遅らせることは簡単ですが、その分売上も落ちます。ここでお伝えしたいのは、オープン日を遅らせることでその分の売上が落ちるということ以外に、遅らせる癖がついてしまうと今後もそれが付きまとってしまうということ。
オープン初月からいきなり何十件も予約が入ることは少ないため、1日オープンを遅らせることの売上の損失はたかが知れています。
それよりも、後回しにしてしまったり、すぐに取り組まないという癖がついてしまうことの損失の方が大きく、そのスピードが当たり前になってしまうと、今後何かやるときに成果が出づらくなってしまいます。
あまりに厳しい日程だと達成が難しいですが、本気でがんばればなんとか達成できるというぐらいの目標を立てるといいでしょう。(初月から結果を出すためのマインドのため、マイペースで取り組みたい方は読み飛ばしてください)
2.完璧を求めない
これも早く成果を出すためのコツですが、完璧を求めてしまうといつまで経っても先に進めません。80%ぐらいの状態にならないと世に出したくないと思われる方が多いですが、最初から質が高いものを作るのはよっぽどの才能がないと難しいです。
ポータルサイトへの掲載でもホームページでも、まずは60%でも40%の状態でも出してしまう。実際に出してみると自分の足りないところが浮き彫りになったりするので、そこから修正をかければOKです。
もし最初から80%の状態まで持っていこうとすると、時間がかかってしまいます。もっというと自分で80%だと思っていても、実際にはそこまでいっていなかったなんてこともあります。
質が低かったとしてもとりあえず出してみる。量をこなしていくうちに質が上がってくるイメージなので、勇気を出してどんどん進めてしまいましょう。
3.うまくいっている人の真似をする
うまくいかない人の特徴として、自己流でやってしまうということ。
人の真似をするというと悪いことのように聞こえるかもしれませんが、すぐに結果を出せる人は真似をするのがうまいです。
真似をするといっても、人の文章をコピペするのはNGです。うまくいっている人はどのように考えているのか?どのような工夫をしているのか?他の人と何が違うのか?ということを分析するのです。
うまくいっている人を何人か見ていくと、成功パターンのようなものが見えてきます。その成功パターンに基づいて、まずは自分でやってみる。それで自分自身もうまくいったら、その上で自分流にアレンジしてみるのがよいでしょう。
成功していない最初のうちから変にアレンジを加えてしまうと、失敗してしまうパターンが多いです。
自分色を出したくなる気持ちをグッと抑えて、まずはうまくいっている人のことを徹底的に分析してみましょう。
②ポータルサイトへの掲載
初月から売上を出すために、ポータルサイトへの掲載が必須です。自分でホームページを作ったとしても、最初の数ヶ月は誰にも見てもらえません。
最初の1ヶ月、2ヶ月はポータルサイトからのみの集客だと思っておいた方がよいでしょう。
となると、1日でも早くポータルサイトへ掲載する必要があります。早く掲載するポイントとしては、とにかくスペースの写真を撮影することです。
ポータルサイトから予約を獲得するには、写真が必須です。場所を探しているお客さんからすると、どんなスペースなのか写真がないとわかりません。
写真でスペースを予約するかどうか判断されるお客さんが多いため、できれば見栄えのいい写真を撮影したいところです。ただ、写真にこだわり過ぎてポータルサイトへの掲載が何日も遅れるのであれば、取り急ぎ最低限の写真を用意してポータルサイトに掲載。後日、改めて綺麗な写真を撮り直す流れがよいでしょう。
ぼくの場合、物件の引き渡しから3日以内のオープンを目安としていますが、写真は初日か遅くても2日目には撮影します。撮影したその日(というか数時間後)にはポータルサイトへの掲載は完了しているといったスピード感です。
オープン日の前日、2日前にポータルサイトへ掲載できれば、オープン初日から予約が入るなんてこともあります。
下記は、大阪でオープンしたスペースの予約状況(オープン最初の週)です。心斎橋という大阪の繁華街ということもあり、最初からかなりの予約が入ってきました。
早く売上を出すためには、なによりもポータルサイトへの掲載を優先するべきです。
※ポータルサイトへの掲載方法は、各ポータルサイトのページに詳しく記載されているので、そちらをご参照ください。
③ホームページを作っておく
レンタルスペース運営をするなら、自分のホームページは作っておくべきです。ホームページを作らないと、ポータルサイトに高額な手数料(売上の30~35%)を払い続けなければいけないからです。
ポータルサイトへの掲載は簡単ですし、すぐに予約が入ってくることが多いので、ついつい依存してしまいます。オープンして間もない時期にポータルサイトに頼るのはいいですが、できるだけ早い段階で脱却するべきです。
売上が上がれば上がるほど、それに比例して取られる手数料の額が大きくなってきます。なので、ポータルサイトからの集客に依存せず、自分のホームページから予約が入ってくるように作ることで、自分に入ってくる利益が最大化します。
注意点として、ホームページを作ったからといってすぐに予約が入ってくるというわけではないということ。
SEO対策といって、Googleで検索したときに上位表示されないと誰も見てくれません。(2ページ目以降に表示されるのであれば、見られる率はかなり低いです)
目安として、ホームページを作ってから1~2ヵ月は誰も見てくれないと思っておいた方がよいでしょう。(3~6ヵ月かかると言っている人もいたり、そのあたりは状況によって変わってきます)
自分のホームページが見られるようになるまで時間がかかるため、できるだけ早く作っておくべきです。ホームページに関しては、スペースの写真を撮ってからではなく、レンタルスペースの物件が決まった瞬間から取り組んでもいいかもしれません。
ただ厄介なのが、ホームページを作ったからといってかならず上位表示(1ページ目)に上がってくるとは限らないということ。
どんなホームページが上位表示されるのか?というと、検索した人が必要としている情報がわかりやすく載っているかどうかです。
自分のホームページの内容が不十分だったり、他に強力なホームページを作っている人がいたら上位表示の難易度は高くなります。
ここでも注意点があって、もし上位表示できたとしても、そのキーワードで検索する人が果たして月に何人ぐらいいるのか?把握しておくべきです。
もし誰も検索しないようなキーワードで上位表示ができたところで、ホームページが見られることはありません。下記のサイトで、どのぐらい検索されているのか調べることができるので、事前に確認しておきましょう。
また、自分が狙いたいキーワードがどのぐらいの難易度なのか?を調べられるサイトもあるので参考にしてみてください。(無料ツールなので、参考程度にしてもらえたらと思います)
※ホームページの詳細については、「第7章ホームページ制作」で詳しく解説いたします。
※検索順位が低いうちは、Google広告を出すのもありです。キーワードによって変わりますが、1クリック100円ほど。10人に1人が予約してくれるとしたら、1000円の予算で新規客を1人獲得できる計算です。(実際にぼくが広告を出したところ、そのぐらいでした)
ダンススタジオやレンタルサロンといったリピート率が高いスペースであれば、広告費をかけてでも新規客を取りに行くのがおすすめです。
第5章:運営【実際に運営って何をすればいいのか?】
第5章では、レンタルスペースの運営って実際のところ何をするのか?ということについてお伝えしていきます。
以下、第5章の目次です。
- 運営で実際にやるべきこと
- 運営代行会社について思うこと
売上を上げられるかどうかは別として、レンタルスペースの運営自体は楽です。運営代行会社なんかも存在しますが、ぼく個人の意見としては必要ないと思っています。依頼するとしても、運営でやるべきことを把握した上で依頼するか検討しましょう。
①運営で実際にやるべきこと
レンタルスペース運営で実際にやるべきことを挙げてみました。
✔ レンタルスペース運営でやるべきこと
1.お客様対応
2.予約管理
3.売上管理
4.掃除
5.集客
1つずつ見ていきますね。
1.お客様対応
基本的に予約、お支払いはネットで完結、スペース入退室はお客様自身でやってもらうため、こちらが対応することはありません。(スペースの運営ルールによって、どのぐらいの手間がかかるかが変わってきます)
ここでいうお客様対応とは、以下の2つです。
・お客様からの質問に答える
・トラブル時の対応
よくある質問ですが、たとえば「こんな備品は置いていますか?」「予約をしたいのですが」「予約をキャンセルしたい」「スペースまでの道がわからず迷ってしまった」「スペースの入り口がわからない」「鍵の開け方がわからない」「備品の使い方がわからない」といったところ。
ぼくの場合、自分の電話番号をホームページやスペース入口に載せているため、こういった電話がたまにかかってきます。メールで質問してくるお客様もたまにいます。(6店舗運営していて2~3日に1件ぐらい)
スペースまでのアクセス、鍵の開け方を、ホームページ上に写真付きで詳しく書いているので、そちらを見てもらうよう案内します。普通に理解力がある方であれば、1~2分で電話で終わることがほとんどです。
トラブル時は少しやっかいで、対応に時間がかかってしまう場合もあります。
これまであったトラブルを挙げると、
・ダブルブッキング
・備品が壊れている
・近隣からクレームが来てしまった
上記のようなことが起きたらなんとかしなければいけません。(※トラブル対応については、「第8章注意点」で詳しく解説します)
こういったトラブルは、5店舗運営していて数ヶ月に1回程度の頻度で起きています。
2.予約管理
お客様の予約管理ですが、予約を自動化(お客様自身でネットから予約を取ってもらう)すれば、こちらの手間はありません。
自動化については第6章で詳しく書きますが、確実に自動化をしておいた方がいいです。
ぼく自身、開業当初は手動で予約管理をしていましたが、かなりの手間がかかっていました。また、自分で予約を操作すると、高確率でミスります。(ぼくはポンコツなので、何度もミスってお客様に迷惑をかけてしまいました)
3.売上管理
ぼくは店舗ごとに売上管理をしていますが、毎月いくら売り上げたかを把握しています。売上管理をする主な理由は2つ。
・売上と利益を増やすため
・確定申告のときにバタバタしないため
売上・利益を増やすには、毎月の数字をしっかり把握した上で、どうすればいいのかを考えるべきです。
もし売上を把握していなかったら、売上が下がっていることにも気付かないかもしれません。
また、1年に1回ある確定申告では1年間の売上を報告しなければいけません。もし普段から売上管理をしていなかったら、確定申告の時期にバタバタしてしまうなんてことになってしまいます。
毎月きちんと売上管理をすることで、売上・利益を最大化し、確定申告の手間を軽減できます。必ず月ごとに売上管理をしましょう。
※ポータルサイト上で月ごとの売上管理を見ることができます。ただ、複数のポータルサイトに掲載していたり、自社ホームページがあるなど複数サイトから売上が出ている場合、パッと見てその月の売上合計がわかりません。そのため、エクセルで売上管理することをおすすめしています。
4.掃除
掃除はぼくがとても重要視している点です。
お客様に利用後の掃除(原状回復)をお願いしますが、隅から隅まで掃除してくれる方はいません。
中には、掃除を全くせず汚したまま退室してしまう方もいたりします。
綺麗なスペースであればお客様も綺麗に使ってくれる場合が多いですが、掃除を怠ってしまうと雑に使われて余計に汚れてしまいます。お客様の満足度が下がり、リピート率も下がり、1つもいいことがありません。
そのため、スペースを綺麗に保つことが大切で、できるだけ掃除に行くことをおすすめしています。
ぼくが運営している横浜のスペースは月に20回ぐらいは掃除に入っています。大阪と福岡のスペースはぼくが行けないため、掃除の方に週2~3回程度入ってもらっています。
5.集客
集客に関しては、予約の入り具合によって力の入れ方も変わってきます。
順調に予約が入って十分に利益が取れているのであれば、それで問題なさそうです。
逆に、思うように予約が入らず利益が取れていないのであれば、なぜ予約が入らないのか原因を突き止めるべきです。(自分のスペースと近くにある競合スペースと比べて何が違うのか?分析しましょう)
予約が入らない原因を突き止め、それを解消して予約が入るようになってくれば、あとは様子見でもよさそう。
予約が入らず赤字続きになってしまうと、運営を続けることも難しくなってくると思うので、軌道に乗るまでは集客に力を入れる必要があります。
②運営代行会社について思うこと
レンタルスペース業界には、運営代行会社なるものが存在します。
ネットで「レンタルスペース 運営代行」というように検索すると複数の運営代行会社が出てきます。
ぼく個人の意見ですが、運営代行会社に依頼する必要はないと思っています。下記、その理由です。
✔ 運営代行会社に依頼する必要がない理由
1.手数料が高く、自分の手元に残る利益が少なくなる
2.代行を依頼しなくても自分で運営できてしまう
1つずつ見ていきますね。
1.手数料が高く、自分の手元に残る利益が少なくなる
運営代行の価格として、売上の10%が相場です。50万円の売上の場合、5万円を代行費用として支払うことになります。
ここで気を付けなければいけないのが、運営代行会社はポータルサイトを使って集客するという点です。
ポータルサイトから予約が入った場合、売上の30~35%が手数料としてかかります。つまり、運営代行費用と合わせると、40~45%もかかるということです。
売上の半分近くを持っていかれ、そこから家賃や光熱費、備品代など支払うと自分の手元にいくら残るんだ?ということになってしまいます。
ぼくの場合、月の売上が150万円ほどあるので、もし運営代行会社に依頼すると手数料だけで毎月60万円以上も持っていかれることになります。(ぼくは代行会社に頼まず、自社ホームページで集客をしているため、手数料は月数万円程度です)
代行会社に依頼すると、売上が上がれば上がるだけ支払う手数料も増えていきます。代行会社に依頼する前に、いくら自分の利益になりそうかのシミュレーションをすることをおすすめします。
2.代行を依頼しなくても自分で運営できてしまう
この章の「①運営でやるべきこと」で記載した通り、運営自体は楽というかそこまでやることがありません。代行会社に依頼しないでも、自分だけで運営できてしまいます。
ぼく自身、6店舗のレンタルスペースを1人で運営していますが、代行会社に依頼せずに問題なく運営できています。(運営の自動化は絶対条件です。自動化については「第6章自動化」で詳しく説明します)
ただ、お客様対応や予約管理、売上管理、掃除はがんばればなんとかなりますが、集客に関しては知識や経験がないとうまくいきません。
ここで問題なのが、運営代行会社はお客様対応や運営管理はやってくれますが、集客はやってくれないということ。(厳密に言うと、やるとうたっていますが実際のところショボいです)
ポータルサイトから集客するという時点で膨大な手数料を取られますし、ポータルサイトに掲載するだけであれば自分で簡単にできてしまいます。
運営代行会社は、レンタルスペースオーナーが一番困っているであろう集客の部分が弱いという状況です。
おすすめとしては、まずは自分で運営してみる。自分自身で運営についてきちんと把握した上で、自分だとどうしてもできない部分を依頼するという流れがベストです。
最初からすべて丸投げしてしまうと、永久に依存したままになり、自分の力にもなりません。ぜひ一度ご自身で運営を経験しておきましょう。
集客に関しては、1日2日でできるようになることはなく、試行錯誤を繰り返しながら少しずつレベルアップしていくイメージです。ぼく自身、日々集客の研究をしているので、もし集客でお困りのことがあれば一度ご相談くださいませ。
第6章:自動化【自分の稼働をかけずに運営する方法】
第6章では、レンタルスペース運営の自動化についてお伝えしていきます。
以下、第6章の目次です。
- 自動化することの重要性
- 自動化するための具体的な手順
もし自動化ができていないと、自分の稼働をかけてレンタルスペースを運営することになります。それだと労働するのと変わりません。この章では、自動化がどれだけ重要なのかということと、自動化するための具体的な手順をお伝えしていきます。
①自動化することの重要性
運営を自動化することで、自分の稼働をかけずにレンタルスペース運営で収益を上げることができます。まず、自動化することのメリットを挙げてみます。
✔ 自動化することのメリット
1.自分が稼働しなくても売上が上がるようになる
2.お客様の満足度が上がる
3.売上が上がる
1つずつ見ていきますね。
1.自分が稼働しなくても売上が上がるようになる
レンタルスペース運営の1番のメリット。それは自分が稼働しなくても売上が上がるということです。
でもその前提条件として、運営を自動化しないといけません。もし自動化ができていない場合は、自分が動かないと運営が止まってしまいます。(自動化をしておらず、常に自分が動いているというレンタルスペースオーナーさんも実際にいらっしゃいます)
運営を自動化するというと難しく感じる方もいるかもしれませんが、実際にはそんなにハードルが高いことではありません。
今の時代、世の中には便利なサービスがたくさん存在するので、そのサービスをうまく使うことで自分が手間をかけなくても運営ができてしまうんです。
逆に自動化しないと、自分の稼働がかかる、多店舗展開しづらい、人件費がかかる、ミスが発生する可能性がある、とあまりいいことがないため、自動化することを強くおすすめしています。
2.お客様の満足度が上がる
運営を自動化することでお客様の満足度も上がります。わかりやすい例を1つ挙げてみます。
たとえば、予約について。もし予約が自動化されていたら、お客様がネット上で好きなタイミングでいつでも予約をすることができます。支払いもネットで完結、その場で予約が確定されます。(予約確定後に、鍵の開け方などの案内メールが自動で送られます)
お客様としては、予約したいと思ってすぐにスケジュールを押さることができるため、ストレスがありません。
逆に予約の自動化がされていない場合、お客様にとってストレスになることが多いです。
自動化されていない場合の1つの運営例として、予約リクエスト制というものがあります。
1.お客様が予約希望日時を記載したメールを送る
2.スペース側で空き状況を確認して、予約の可否をお客様に連絡
3.もし空きがなければ、再度希望日時を連絡する
というように、予約したいと思った瞬間に予約が確定されません。10年前であればこのような予約リクエスト制は当たり前でしたが、今となっては完全に時代遅れです。
予約リクエスト制の時点で古臭いですが、電話のみで予約を受け付けているところもあったりします。
24時間確実に電話に出てくれればいいですが、大抵の場合はスペースオーナーさんが自分で電話を受けている場合が多く、高確率で電話に出てくれません。
どうしてもそのスペースを使いたいお客様であれば、電話をかけ直してくれそうですが、そうでない限りは他のスペースへ行ってしまうでしょう。
3.売上が上がる
自動化することで売上が上がります。
なぜ上がるかというと、
1.予約の自動化をすることで新規のお客様からの予約が増える
2.お客様の満足度が上がるのでリピート率が上がる
3.自分の稼働をかけずに運営できるので、多店舗展開がしやすい
予約の自動化をすることで、お客様がネットから好きなときに予約できるようになります。
電話でしか予約が取れなかったり、予約リクエスト制のためすぐに予約が確定されなかったりすると、それだけで予約率が下がります。(ぼくが予約する側の立場だとしたら、レンタルスペースに限らずネットで即予約ができない時点で他のお店を探します)
また、一度予約をしてもらえたとしても、毎回毎回電話で予約する必要があったり、予約が確定するまでに時間を要するとなるとお客様としてはストレスになってしまいます。
好きなときに手軽にストレスなく予約ができるというのが、リピートしてもらうための最低条件です。
もし運営の自動化ができていないと、売上が上がれば上がるだけ忙しくなってしまい目の前の仕事に追われてしまいます。そうなると余裕がなくなってきて、次の展開のことなんて考える余裕はありません。
もし自動化して手間なく運営できるようになれば、多店舗展開も可能です。
ぼく自身、レンタルスペース運営の多くを自動化したことで、1人で6店舗のスペースを運営できています。(運営代行会社に依頼せず運営しています)
②自動化するための具体的な手順
ここでは、レンタルスペースの運営を自動化するための具体的な手順をお伝えしていきます。
以下の5つが実際に運営する際にやるべきことです。(それぞれの内容について、詳しくは「第5章運営」をご参照ください)
✔ レンタルスペース運営でやるべきこと
1.お客様対応
2.予約管理
3.売上管理
4.掃除
5.集客
上記の5つについて、それぞれどうやって自動化していけばいいのか見ていきます。
1.お客様対応
お客様対応を完全自動化するのは難しいです。(いきなりすみません。。)
もし自分の手を一切かけたくないということであれば、運営代行会社に依頼するのがよいでしょう。
ただ、ぼくは運営代行会社に依頼せずに6店舗のレンタルスペースを運営していますが、お客様対応にそこまで手間がかかっていません。
なぜ手間なく運営できているか?というと、お客様から質問されそうな内容を想定して、あらかじめ答えを作っているからです。
お客様からよくある問い合わせとして、「スペースに行く途中で迷ってしまった」「スペースの入り口がわからない」「鍵の開け方がわからない」「備品の使い方がわからない」といったことで連絡が来たりします。
電話で問い合わせが来たとして、口頭で説明したとしてもなかなか相手に伝わりません。(ぼくの説明の仕方が悪いのかもしれませんが、、、)
道順や鍵の開け方を口頭で説明するよりも、写真や文章で伝えた方が相手にも伝わりやすく、こちらとしても手間がかかりません。
下記のように最寄り駅からスペースまでの道のりを写真+文章でホームページに載せています。
Googleマップに加えて上記のような案内図を載せているので、よっぽどの方向音痴でなければ、たどり着けると思います。
実際のアクセスのページはこちら
鍵の開け方のページも写真付きで作っていたり、備品の使い方の説明書もスペース内に置いています。(既存の説明書だとごちゃごちゃ書いてあってわかりづらいため、下記のような説明書を自作しました)
2.予約管理
レンタルスペース運営で一番ネックというか大変なのが予約管理。ここを自動化しないと、日々予約管理に追われてしまうことになります。
こちらが予約に一切触れることなく運営するのが理想です。これが実現できれば、予約管理の完全に手間がなくなります。
どうすればそのように運営ができるのかというと、お客様ご自身にネットから予約を取ってもらうようにすればいいのです。
スペースマーケットやインスタベースといったポータルサイトであれば、そのようなシステムが組まれているため、こちらの手間はかかりません。(即予約か予約リクエスト制か選択でき、即予約にするとこちらが操作することなく勝手に予約が入ってきます)
問題なのは、自分のホームページからも予約を取っていく場合。お客様ご自身でネットから予約を取ってもらうには、Googleカレンダー連携が必須です。
どういうことかというと、まず前提としてGoogleカレンダーをおおもとの予約管理のカレンダーとして用意します。
そのGoogleカレンダーをもとにして、スペースマーケットやインスタベース、自社ホームページの予約システムと連携していくんです。
そうすることで、スペースマーケットやインスタベース、自社ホームページといった複数個所から予約が入った場合でも、自分が予約カレンダーを一切触ることなく運営することができます。
下の図を見ていただくとイメージが湧くかと思ます。
ここでのポイントとして片方向の連携ではなく、双方向に連携する必要があるということ。
もし予約システム→Googleカレンダーへの片方向の連携だった場合、スペースマーケットやインスタベースから入ってきた予約を予約システムが認識できません。
そうなると、本当は予約で埋まっているのに空き枠となってしまい、その結果ダブルブッキングが発生してしまう可能性が出てきてしまいます。
ダブルブッキングはお客様にとって最悪の事態のため、絶対に起こしてはいけません。
手間やトラブルなく予約管理をするには、Googleカレンダーの双方向連携が必須です。
※世の中に数多くの予約システムが存在しますが、Googleカレンダー双方向連携ができる予約システムはほぼありません。(連携できるとうたっていても、双方向ではなく片方向の場合が多いです)もし双方向で連携できたとしても、手数料が高いというオチがあったりします。ぼくが使っているのは、よやクルという予約システムです。(※これといった予約システムがなかったため、自社で開発しました。)Googleカレンダー双方向連携ができて月額2,980円。レンタルスペースに特化した予約システムとなっています。
よやクルの詳細はこちら
3.売上管理
売上管理については、完全な自動化ができておらず、月に1時間程度の作業が発生しています。
ぼくの場合、スペースマーケットやインスタベース、自社ホームページというように複数個所から予約が入ってきます。
それぞれのサイト上から月ごとの売上を見ることはできますが、すべてのサイトの売上合計を見ることはできません。
そのため、1ヶ月ごとにその月の売上をエクセルにまとめています。
毎月の作業が発生しますが、ここをきちんとやっておけば、確定申告時の手間が大きく軽減されるため、おすすめしています。(エクセルにまとめている理由の詳細は、第5章「①運営で実際にやるべきこと」をご参照ください)
4.掃除
掃除を自動化するためにやっていることは以下の2点です。
✔ 掃除を自動化するためにやっていること
・お客様自身に掃除をしてもらうように案内する
・掃除をしてくれる方に外注する
まず「お客様自身に掃除をしてもらう」ですが、スペースを利用したあとは掃除(原状回復)してもらうように案内をしています。
このルールを守ってもらうことで、予約が入る度に掃除をする必要がなくなります。
ただ注意点として、お客様は隅から隅まで完ぺきに掃除をしてくれるわけではないということ。
きちんと原状回復してくれるお客様もいますが、すべてを完ぺきに元通りにしてくれることは稀で、掃除が行き届いていなかったり、元通りになっていないことが多いです。
中には全く掃除をしなかったり、ゴミを放置したままにしてしまうお客様もいたりします。そうなると次にスペースを使うお客様としては、汚れたスペースを利用することになります。
スペースを綺麗に保っていればお客様も綺麗に使ってくれますが、汚いスペースだとそれなりに使われてしまうでしょう。
スペースが汚いとお客様の満足度は低くなってしまいますし、最悪の場合はクレームや悪い評価がついてしまいます。
予約が入る度に掃除をするのは現実的に難しいと思いますが、週に何回かは掃除をすることをおすすめしています。
オーナー自身が掃除に入ることが難しい場合、掃除を外注するのがよいでしょう。
ぼくは横浜、大阪、福岡の3か所でレンタルスペースの運営をしています。横浜のスペースは自分で掃除に行けますが、大阪と福岡は掃除に行くことができません。
週2~3回程度の掃除を外注していますが、掃除の代行会社ではなく、個人に依頼しています。
なぜ個人に依頼しているのかというと、2つの理由があります。
1つ目の理由は、お金の面です。もし代行会社に掃除を依頼する場合、安くても1時間2000円はします。こちらがお支払いしたお金の半分は、掃除代行会社に持っていかれていると思います。
個人に直接頼めば、そういった仲介料が発生せずダイレクトで掃除をしてくれた方へお支払いができます。
実際にぼくが依頼している方は1回1000円でやってくれています。(時給2000円相当としていて、30分程度で掃除が終わるため1回1000円をお支払いしています)
2つ目の理由は、信用の面です。代行会社に掃除を依頼するとしたら、どんな方が掃除をしてくれるか選べません。
仕事なのできっちりとやってくれるとは思いますが、自分が作った愛着のあるスペースなので、信頼できる方にお願いしたいのが正直なところです。
ぼくの場合、ジモティーという無料の掲示板で掃除の募集をかけています。問い合わせいただいた方とやり取りして、その中の何名かと実際にお会いします。(面談のスケジュールが合わなかったり、やり取りがスムーズにいかない場合はお会いしません)
直接話をして、この人になら任せられると思った方を採用しています。
下記のような投稿をすると20人ぐらいから問い合わせが来て、実際に面談をするのは5、6人というイメージです。
ご覧くださりありがとうございます。
天神駅から徒歩6分の場所に、12月よりダンスができるスペースをオープンします。
お部屋の清掃作業をしていただける方を募集いたします。
1部屋のため、今回は1名様のみの募集とさせていただきます。
部屋の広さは26㎡、ダンススペースのため備品など少なく簡単に掃除いただけるかと思います。
掃除の頻度は週2、3回程度、掃除のタイミングは自由にお選びいただけます。
(時間単位でスペースを貸し出しているため、空いている時間に掃除をお願いいたします)
清掃の内容ですが、
・ウェットシートでモップがけ
・トイレ掃除
・エアコンのホコリ取り
・備品の補充(トイレットペーパー、ウェットティッシュ等)
・ゴミ捨て
難しい作業はなく、未経験の方でも問題ありません。
1回の清掃は30分程度で終わるかと思います。
※交通費も支給いたします。
お問い合わせいただいた方と12/5-7の間で面談をできればと思っています。
その際に詳しい内容を改めてご説明させていただきます。
それでは、ご連絡お待ちしております。
5.集客
集客に関しては、スペースの状況や予約の入り具合によって変わってきます。
予約が入ってくるまでは、ポータルサイトの文章や写真を試行錯誤しながら更新したり、ホームページを作りSEO対策をしたり、広告を掲載するなど作業が発生します。
ただ、順調に予約が入ってくればその後は自動化というか、こちらが稼働しなくても運営が可能です。
ぼくが横浜で運営しているレンタルスペースの場合、「横浜 レンタルスタジオ」と検索すると上位表示されるため、特にこちらが何かしら手間をかけなくても予約が入ってきます。
集客(マーケティング)は1日2日でマスターできるスキルではないため、失敗を繰り返しながら、少しずつ身に付けていくイメージでいた方がよいと思います。
第7章:ホームページ制作【初心者が自分で作るための方法】
第7章では、ホームページ制作についてお伝えしていきます。
以下、第7章の目次です。
- ホームページを作らないと搾取され続ける?
- ホームページはワードプレス一択
- ホームページから予約を獲得するには?
レンタルスペース運営で利益を最大化するにはホームページ制作が必須です。未経験だったぼくでも作れたので、決してハードルが高いものでもありません。ぜひ参考にしてみてください。
①ホームページを作らないと搾取され続ける?
レンタルスペースを運営する上で、ホームページは作っておくべきです。
ホームページなしで運営されているスペースもありますが、それだと膨大な手数料を払い続けることになります。
どういうことかというと、ホームページがない場合、スペースマーケットやインスタベースといったポータルサイトから予約を獲得することになります。
そうなると売上の30〜35%という手数料を支払うことになり、自分の手元に残るお金が少なくなってしまいます。
月の売上が100万円だとしたら、毎月30〜35万円もの手数料が発生します。
もし自分のホームページを持っていれば、その手数料がなくなり、その分手元に残るお金が増えます。
自分のホームページを持っていないレンタルスペースオーナーさんとしては、売上が上がれば上がるほど支払う手数料も高くなります。
ポータルサイトへの手数料をはじめ、家賃や光熱費の支払いにより「利益が残らない」と嘆いているオーナーさんも多くいらっしゃいます。
利益を最大化するため、ぜひホームページ制作をしましょう。
②ホームページはワードプレス一択
どうやってホームページを作るのか?ということですが、おすすめはワードプレスです。
ワードプレスと聞くと、初心者には難しいのでは?と思われるかもしれませんが、実際のところそうでもありません。
最初にドメインやサーバーの契約、ワードプレスのインストールをする必要があるため、たしかにそのあたりが未経験の方にとって難しいと感じるかもしれません。
ただ、ネットで調べればめちゃめちゃわかりやすく解説されているサイトがいくつもありますし、最初に設定するだけなのでその手間がずっと続くわけでもありません。
ぼく自身、サーバー、ドメインは「エックスサーバー」で契約しています。理由としては、性能面と信頼面が抜群で、間違いないと思ったから。
他にも有名なサーバーやドメインはありますが、ぼくの中でいろいろと調べていくうちに「ここが一番安心できる」と思い決めました。
また、綺麗なホームページを作るにはHTMLやCSSの知識が必要なのでは?とも思われるかもしれませんが、実際のところ文章さえ打てればホームページは作れます。
ワードプレスには完成度の高いテーマ(テンプレートのようなもの)が存在していて、それを活用すればHTMLやCSSを意識せずに綺麗なホームページを作ることができるのです。
実際に運営しているレンタルスペースのホームページ
ぼくはTCDという会社のテーマを使っています。有料で25000円ぐらいしましたが、控えめにいっても費用対効果は最高でした。
自分でデザインする必要がなく、これだけクオリティの高いホームページを作ることができるのは凄すぎます。
TCDは数多くのテーマを取り扱っていますが、その中で「Switch」というテーマを選びました。理由としては、レンタルスペースの魅力を一番わかりやすく伝えられそうな構成だったから。
TCDには他にも魅力的なテーマがありますが、1つずつ確認した結果「Switch」が一番だと思い選びました。
ぼくが選んだテーマ「Switch」の詳細はこちら
あとワードプレスをおすすめする理由としては、初期費用と維持費が安いということが挙げられます。
サーバー代は月1,000円、ドメイン代は年間で900円程度です。(ぼくはエックスサーバーを使っています)
もしホームページ業者に依頼したら初期費用が数十万円、それとは別に数千~数万円の月額費用がかかるかもしれません。
また、ワードプレスは利用者が多いこともあり、わからないことはネットで調べたら大抵載っています。
よほど特殊なことではない限り、ネットで調べれば解決できるでしょう。
(※ここでワードプレスのインストール方法まで解説してしまうと長くなってしまうので、割愛させていただきます)
③ホームページから予約を獲得するには?
ホームページを作る目的は、予約を獲得すること。いくら綺麗なホームページを作ったからといって、誰にも予約してもらえないと意味がありません。
どうすれば予約をしてもらえるのかというと、大事なのは以下の2点です。
1.多くの人にホームページを見てもらう
2.見てくれた人を予約ページに案内する
まず、ホームページをたくさんの人に見てもらわないと話が始まりません。(たくさんの人といっても、レンタルスペースに興味があって予約してくれる可能性がある見込み客に見てもらう必要があります)
どうすればたくさんの人に見てもらえるかというと、露出度を高めることが大切です。
たとえば、「横浜 レンタルスペース」と検索したときに、1ページ目の上位に表示されれば多くの人の目に留まりますが、2ページ目以降の表示となると、ほとんどの人は見てくれません。(2ページ目以降だとクリック率は1%台と言われています)
どうすれば検索したときに上位表示されるかというと、「検索した人が必要としている情報がわかりやすく載っている」ということが、上位表示の条件です。
これだけだと具体的にどうすればいいのかイメージが付かないかもしれませんが、上位表示(SEO対策)はとても奥が深いものです。
また、ホームページを作ったばかりだと、すぐに上位表示されることはありません。(ホームページの内容や競合の強さによりますが、3ヶ月はかかると見ておいた方がよいです)
ぼくはホームページが上位表示されるまでは、Google広告を活用しています。(Googleで検索したときに、一番上に出てくるやつです)
上位表示させたいキーワードによって広告費は変わりますが、たとえば「天神 レンタルスタジオ」だと1クリック100円強、「新大阪 レンタルスタジオ」だと1クリック50円弱かかっています。(クリック単価は変動するためざっくりした数字にしています)
※Google広告はクリックされた時点で広告費がかかります。もし誰からもクリックされなければ、広告費は0円です。逆にたくさんクリックされたらその分広告費はかかりますが、広告費の上限を設定できます。
ぼくのレンタルスペースの客単価は約2,000円。天神店の場合、1クリック約100円強なので、20人がクリックすると2000円強の広告費がかかります。
20人のうち1人でも予約をしてくれたら広告費はペイできるという考えです。(実際にはその方がリピートしてくれる可能性もあるので、予約率はもう少し低くてもやる意味はあると思っています)
ちなみに、Google広告の出し方についてはGoogleの方が手厚くサポートしてくれます。こちらから電話で聞くこともできますし、ぼくの場合は向こうから電話がかかってきました。
SEO対策やGoogle広告によってたくさんの人にホームページを見てもらうことが大事ですが、見てもらうことが目的ではなく、予約を獲得するというのがゴールです。
つまり100人がホームページを見てくれたとしても、誰も予約をしてくれなかったら意味がありません。10人しか見てくれなかったとしても、その中の5人が予約してくれる方が売上が上がります。
ホームページを見てくれた人がどうしたら予約をしてくれるのか?考えてみましょう。
まず、予約してもらえる条件として大事なのは、レンタルスペースを探している人が必要としている情報がわかりやすく載っていて、さらにストレスなく簡単に予約ができるようになっているということ。
レンタルスペースの料金や広さ、設備、営業時間など知りたい情報が載っていなかったり、すぐに見つけられなかったりしたら他のホームページへいってしまいます。
予約に関しては、たとえば「電話しか受け付けていない」「ネット予約するのに面倒な会員登録が必要」「どの時間が空いているのかがわかりづらい」といったことがあると、人によっては面倒になってしまい離脱されてしまいます。(ぼくだったら、ネットで予約できないとわかった瞬間に他のところを探します)
ぼくが作ったホームページが正解というわけではありませんが、必要な情報をわかりやすく書くよう心掛けて作りました。
ぼくが作成した横浜レンタルスペースのホームページ
ワードプレスの「Switch」というテーマを使っていますが、このテーマを使えば文章さえ打てればデザイン性の高いホームページを作ることができます。(HTMLやCSSを意識せずにこのホームページを作ることができました)
第8章:注意点【起こり得るトラブルや問題を共有】
第8章では、レンタルスペースを運営する上で起こり得るトラブルや問題について共有させていただきます。
以下、第8章の目次です。(目次といってもこの章は①だけです)
- 起こり得るトラブル&対処法を共有いたします
①起こり得るトラブル&対処法を共有いたします
起こり得るトラブルを共有させていただき、その対処法や向き合い方についてもまとめました。ぼくがこれまでに実際に経験したトラブルをお伝えいたします。
1.備品が壊される、なくなる
このトラブルが一番多いかもしれません。ぼくはダンスができるスペースを運営しているため、フローリングと鏡の殺風景なスペースで、家具や家電などほとんど置いていません。
それでも、イヤフォンジャックやiPhone変換器がなくなったということが起きたりします。
これまで壊れた一番大きなものは鏡。お客様が誤って割ってしまいました。
パーティースペースを運営する場合、ソファやテーブル、椅子、冷蔵庫、電子レンジ、食器、調理器具など多くの備品を置くことになります。
もしお酒を飲むようなパーティーで使われてしまうと、コップが割られたり、備品が壊れたりなくなることが多いようです。
パーティースペースを運営している知り合いが、「毎日コップが1個ずつなくなる」と言っていました。多くの方が出入りするので、それだけ備品が壊れたりなくなることが多いんですね。
対処法としては、丁寧に管理するということ。たとえば、イヤフォンジャックやiPhone変換器はとても小さいものなので、持っていかれてしまうことがあります。
ぼくは備品1つ1つに「持出禁止」という注意書きをしています。(紙にマジックで書いて、セロテープでケーブルなどに貼り付けています)
それでも紛失することはありますが、何も書かなかったときよりもなくなる回数は減りました。
また、備品を壊されてしまった場合、お客様から連絡をくれればいいですが、そのまま連絡なしに放置される方もいます。
予約が入る度に清掃に入るわけではないため、こちらが気付くのが遅いとどの段階で壊れてしまったのかの特定が難しいです。
そのため、できる限りこまめに清掃に入るなど丁寧に管理されることをおすすめします。
とはいっても、備品が壊れるときは壊れるし、なくなるときはなくなります。どれだけ丁寧に管理していても必ずそういったことは起きるので、ある程度割り切っておいた方が楽です。
壊れたりなくなったりする度にいちいち気にして落ち込んでいたら大変なので、いつかは起きることと思って気にしないのが一番です。
2.部屋が汚くなっている
これも何度か起きたことがあります。
お客様自身で掃除(原状回復)してもらうルールですが、中には全く掃除せずに退室される方もいます。
ぼくが運営しているダンスのスペースだと、最後にモップがけをしてもらわないとホコリや汚れ、髪の毛が残ったままになってしまいます。
パーティースペースで掃除されないのは最悪です。食器が使いっぱなしになっていたり、ゴミが放置されてしまうと、次に使うお客様からは確実にクレームや低評価になってしまうでしょう。
対処法としては、掃除やゴミの持ち帰りについての案内を目立つようにする。そしてスペースを常に綺麗な状態に保っておく。
もともとスペースが汚かったら、お客様もそれなりに使ってしまいます。スペースを綺麗に保つことで汚されづらくなるため、日々の掃除には力を入れましょう。
3.鍵の紛失
ぼくが運営しているスペースでは、鍵の管理はかなりアナログです。入口近くに暗証番号付きのキーボックスを設置し、その中に入っている鍵で入退室をしてもらう流れです。
過去に鍵の紛失が実際に起きてしまい、次のお客様がスペースに入れないという大惨事が起きました。
結局、前の時間に使っていた方が間違って鍵を持って帰ってしまっていたので鍵自体は戻ってきましたが、お客様に迷惑をかけてしまいました。
スマートロックといって、お客様のスマホで入退室ができるような鍵システムがあるので、そちらを使えば鍵の紛失は防げます。(月額3000~4000円ぐらいで導入できると思います)
ぼくがスマートロックを使っていない理由ですが、オープン当初からアナログな鍵を使っていてそれで運営できてしまっているから。
一度鍵がなくなったことがあるものの、基本的には問題なく運営できてしまっているため、スマートロックを使わずアナログを続けています。(あまり理由になっておらずすみません。。)
たまにキーボックスの暗証番号は変えていますが、そんなに頻繁に変えることはないため、セキュリティとしては弱いと思います。
スペース内に高価なものは置いていませんし、ほとんどの時間帯が予約で埋まっているため、セキュリティが弱くても問題ないといった思いがぼくの中にあったりします。(これはあくまでぼくの判断です。セキュリティは高いに越したことはないため、自己判断ください)
4.ダブルブッキング
同じ時間帯に2組のお客様の予約が入ってしまうという、レンタルスペースを運営していく上で絶対にあってはならない最悪のトラブルです。
お客様としては、決まった時間に予約をしているのにその時間に使えないというのはありえない話です。
今は予約管理をすべてシステム化しているため、ダブルブッキングは起きませんが、システム化する前は何度かダブルブッキングを起こしたことがあります。
以前はお客様から予約のリクエストがあったら、ぼく自身が手動で予約カレンダーに入力していました。
正しく入力できればいいですが、日付や時間帯を間違って入力してしまい、その結果同じ時間帯に別のお客様の予約も入れてしまうという。
そうなると本当に最悪で、お客様がスペースに行ってみると他の人が使っていて、部屋に入れないという地獄が起きます。
利用料を返金するのはもちろんですが、お客様からの信用は一気になくなりますので、二度と使ってもらえないなんてことにもなりかねません。
ダブルブッキングの対処法としては、システム化すること。自分が予約カレンダーを触らなくても予約が入るようにシステム化することを強くおすすめします。(詳しくは「第6章自動化」を参考にしてみてください)
5.料金を支払ってもらえない
スペースマーケットやインスタベースといったポータルサイトからの予約の場合、料金の問題はないと思います。(完全前払い制のため)
自分のホームページから予約を受ける場合、このような問題が発生する可能性があります。
ぼくは横浜、大阪、福岡でレンタルスペースを運営しているのですが、どのスペースでもクレジットカード決済を導入しています。
その場合、クレジットカード決済が完了→予約が確定という流れのため、取りっぱぐれることがありません。
実は横浜のスペースの場合、「直接支払い」ということで利用日当日にスペース内のポストに現金を投函してもらうという支払い方法を導入しています。
10代でクレジットカードを持っていない方もいるため、このような支払い方法を作っています。
ただ、それだと取りっぱぐれる可能性があり、実際に支払ってもらえなかったということもありました。
また、スペース内に設置してあるポストに現金を入れてもらうというのはセキュリティ的にも問題です。(鍵付きのポストではありますが、そもそも部屋のセキュリティがザルなので、ここは考えを改めた方がよさそうです)
ぼくが使っている予約システム「Wixブッキング」であれば、銀行振込の決済代行サービスもあったので、今後はこちらに移行します。(手数料5%を取られますが、手間とリスクを考えると支払う価値はありそうです)
それと、paypayを契約しました。利用日当日に支払ってもらう場合は、現金ではなくpaypayで支払ってもらえばスペース内に現金を置くことがなくなります。
※大阪と福岡といった遠方スペースの場合、現金支払いではなく、クレジットカード決済か銀行振込のみとしています。(銀行振込の決済代行サービスではなく、予約完了後に個別で振り込んでもらう流れのため、こちらが確認する手間が発生してしまっています)
※銀行振込の決済代行サービス、paypayを導入し問題なく運営できたら、この記事は最新の情報に更新いたします。
6.騒音トラブル
近隣の方から「音や振動がうるさい」といったクレームが発生する可能性があります。
ぼくの場合、ダンスができるスペースを運営しているため、音や騒音のクレームが発生しやすいです。
実際に大阪のスペースで近隣の方からクレームになってしまい、撤退することになりました。
ダンスでなくても、パーティーで騒がれてしまいクレームになるという例もあります。
近隣の部屋が事務所や店舗であればクレームされることは少ないかもしれませんが、もし隣の部屋が住居で住まれている方がいるとしたら、音には気をつけた方がよいでしょう。
できれば物件を契約する前に、両隣や上下階にどういった方がいるのかを事前に確認しておくことをおすすめします。
第9章:レンタルスペース業界の今後【生き残るためにやるべきこと】
第9章では、レンタルスペース業界の今後についてお伝えしていきます。
以下、第9章の目次です。
- レンタルスペースの数は年々増えてきている
- 今後生き残っていくために必要なこととは?
現状から見るレンタルスペース業界について、そして今後生き残っていくためにはどうすればいいのかということをまとめました。
①レンタルスペースの数は今後どんどん増えていく
この教材を書いているのは2020年3月ですが、日に日にレンタルスペースの数は増えています。
ここ2、3年でスペースマーケットやインスタベースといったレンタルスペースのポータルサイトの認知度が上がり、それに比例して掲載されるスペースも増えてきています。
特にパーティーやイベント、女子会ができるようなオシャレなスペースが増えていて、エリアによってはすでに飽和状態になっています。(新宿や池袋、渋谷といった主要駅には数多くのレンタルスペースがすでに存在しています)
首都圏の主要駅は飽和状態、最近では大阪や名古屋といったエリアでもレンタルスペースが広がっていっています。
今は利益が取れるかもしれませんが、2年後3年後も同じように利益が取れるのか?ということを見極めないといけません。
よくあるのが100~200万円の初期費用をかけてレンタルスペースをオープン。1年で初期費用を回収してそのあとは毎月利益をと思っていたら、予約が入らなくなって売上が落ちてきてしまうというパターン。
予約が入らなくなる原因の例として、たとえば近くに同じようなスペースができてしまいそちらに予約を取られてしまう。また、予約が取られないとしても競合に負けないように価格を下げることになり、売上が落ちてしまう。
レンタルスペースは簡単に開業できる分、競合も参入しやすいのです。
「稼ぎやすいと聞いたから」という理由だけでレンタルスペース業界に参入されるのは、正直危険かもしれないとぼく自身は思っています。
②今後生き残っていくために必要なこととは?
今後レンタルスペース運営で利益を出し続けていくには、競合との差別化、リピーターの確保、自分のメディア(自社ホームページ)を持つことが必須です。
この教材でもスペースのコンセプトやターゲット選定は大切というお話をさせていただきましたが、他のスペースではなく自分のスペースを選んでもらう理由がないと予約につながりません。
自分のスペースを選ぶ理由を、わかりやすくお客様に伝えることができれば予約が入ります。(コンセプト設定については、「第2章コンセプト設定」で詳しく解説しています)
また、パーティースペースや貸し会議室はリピート率が低く売上が安定しません。ダンスができるレンタルスタジオや整体・エステができるレンタルサロンであればリピート率が高く売上が安定しやすいです。
レンタルスタジオやレンタルサロンであれば絶対に成功するというわけではありませんが、リピート率が高いほど予約が埋まりやすく、運営が楽になります。
逆に、単発予約が多いパーティースペースや貸し会議室だと、毎月新規客を追い続けないといけません。集客が強いポータルサイトに依存せざるを得ないという状況に陥りやすいのです。
それだと売上の30~35%といった膨大な手数料を支払い続けなければいけず、自分の手元に利益が残りません。
今後、レンタルスペースで生き残るためには、リピーターが予約してくれるようなスペースを作り、競合と差別化をすることで集客して、さらにポータルサイトではなく自社ホームページから予約が入ってくるようにするというのが大事です。
このように書くと難しく感じられるかもしれませんが、まずはこの教材を熟読いただくと見えてくるものがあると思います。
また、ぼく自身TwitterやYouTubeでレンタルスペースについての情報発信をしていますので、参考にしてみてください。
【ブログ】レンタルスペース最強の運営術
【YouTube】レンタルスペース最強の運営術
【Twitter】みつ|レンタルスペース運営を日本一わかりやすく教える人
第10章:考え方【成功する人、失敗する人の違いとは?】
第10章では、レンタルスペース運営における成功する人、失敗する人の考え方についてお伝えしていきます。
以下、第10章の目次です。(目次といってもこの章は①だけです)
- 成功する人、失敗する人の特徴とは?
この章でお伝えすることは、レンタルスペース運営に限らず、他のビジネスにも当てはまるような普遍的なことを述べています。ビジネスの基本ではありますが、とても大事なことなので書かせていただきました。自分自身を見直すきっかけになれば嬉しく思います。
①成功する人、失敗する人の特徴とは?
ここ最近、レンタルスペース運営を始めたいという方が増えています。
実際ぼくのところへのお問い合わせも増えているので、レンタルスペース運営の認知度が上がってきたのかもしれません。
ただ、レンタルスペースを開業したからといって、全員がうまくいくわけではありません。
開業したものの、利益が取れずに初期費用を回収できなかったり、赤字続きで撤退してしまったりという方も実際に多くいらっしゃいます。
ぼくはこれまで数多くのレンタルスペースのオーナーを見てきましたが、段うまくいく人と失敗する人の特徴が段々とわかってきました。
✔ レンタルスペース運営でうまくいく人の特徴
1.とにかく行動する
2.人の真似をする
3.自分で判断する
うまくいく人の特徴を逆にしただけですが、下記が失敗する人の特徴です。
✔ レンタルスペース運営で失敗する人の特徴
1.現状維持を好む
2.自己流でやってしまう
3.答えを求めようとする
1つずつ見ていきますね。
1.【成功:とにかく行動する】【失敗:現状維持を好む】
ここが一番大事です。行動しないと何も始まらないので、うまくいくためには行動することが大前提。どれだけ行動したかによって結果も変わってくるでしょう。
ぼくが見る限り、うまくいく人は例外なく行動しています。
行動する人は打席に立つ回数が多いので、打率が人並みだったとしても、ヒットを打てる回数が多くなります。
行動する分だけ失敗もしますが、それが経験となって行動の精度が上がっていき、打率が上がっていくイメージです。
逆にうまくいかない人はとにかく行動しません。頭の中で考えているだけで、結局行動しないで終わってしまうことが多いように思います。
考えることはもちろん大切ですが、ぼくが4年間レンタルスペースを運営してきた感覚からすると、考えているときよりも実際に行動に移したときの方が成長しますし、何より成果になります。
現状維持が一番楽ですが、それだと失敗はしないですが成長することもありません。
まずは行動してみて、その過程や結果を見ながら考えていくという順序がおすすめです。(このやり方が正解というわけではないので、この順序に関してもまずはやってみてご判断いただけたらと思います)
2.【成功:人の真似をする】【失敗:自己流でやってしまう】
うまくいっている人は、すでに成功している人のやり方をうまく取り入れています。
自分色を出したくて自己流でやってしまう人が多いんですが、それでうまくいっている人をあまり見たことがありません。
まずは成功パターンの型を押さえて、その上でアレンジをするならいいのですが、基本を押さえずいきなり自分色を出そうとすると一部の天才を除き、例外なく失敗します。
注意点として、うまくいっている人の文章などを丸パクリをするのはNGです。コピペをしてしまうと自分の成長になりませんし、コピペされた相手にも迷惑がかかってしまいます。
最初のうちはうまくいっている人の構成や魅せ方を参考にしていき、最終的にはその人がどんな考えや理念を持っているのか、というところまで見ることができれば確実に成功に近づきます。
3.【成功:自分で判断する】【失敗:答えを求めようとする】
うまくいく人の特徴として、主体的ということが挙げられます。
やるかやらないかを最終的に判断するのは自分自身です。それを人にゆだねてしまうようでは、なかなか成功に結び付きません。
自分で決めて自分の責任で行動するからこそ、成長していくのです。
ビジネスにおいてうまくいく成功パターンは存在しますが、学校のテストのように1つの決まった答えはありません。
「このエリアでレンタルスペースを出せばうまくいきますか?」「どんなレンタルスペースを出せばうまくいきますか?」といった答えを求めているようでは成功は難しいかもしれません。
学校の勉強とは違うので、答えを見つけるというよりは自分で答えを作り出すという意識でいるとよいでしょう。
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。TwitterやYouTubeでもレンタルスペース運営についてのお話をしています。よければそちらも覗いてもらえたら嬉しいです。
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